「うちは収納が足りないので、なんとかしたい。」
リフォームの相談で、90%のお客様がおっしゃる言葉です。リフォームで玄関クロークや、クローゼットを作るのはたやすいことです。
でも、ほんとうにそれで良いのでしょうか。収納を増やすということは、増築しないかぎり、その分、床面積を圧迫するということ。
本来、人がくつろぐ空間を物に占領されてしまっては本末転倒ですね。
今日は、「整理収納アドバイザーが考えるリフォーム」として、これから収納計画をたてる方に、ぜひチェックしていただきたいポイントをお伝えします。
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リフォーム適齢期の住まいは物であふれている
リフォーム適齢期と言われる、新築から20年程度のお住まいは、どこもかしこも物であふれているということがとても多いです。
一般的に、物は新築時や引っ越し時が、その世帯においていちばん少ないそうです。
本来は、物は一人あたり標準で1,500アイテムあれば、十分生活できるとのことです。1,500アイテムというのが、多いのか少ないのか、ちょっとピンととこないですね。
たとえば、1日1アイテムを家に持ち込むと、1年で365アイテムですね。
これが、4人家族でしたら、365×4=1,460アイテムとなり、一人が生活できる必要な1500アイテムと、ほぼ同数になります。
つまり、なんとなく過ごしているだけで、たった一年で一人分のアイテムが増えてしまうということになります。
スーパーやコンビニで、レジ横にならんでいたお菓子をついカゴにいれる、2枚で30%OFFになるから、まあまあ気に入った程度の洋服を買う、ショップで景品をもらう、こんなことは日常よくある経験ではないでしょうか。
おそらく、「今日、物をひとつ増やしたから、なにかひとつ減らそう。」などと考えて買い物をしている方はいらっしゃらないかと思いますから、物はあっと言う間に増えていきそうですね。
これが、リフォーム適齢期のお住まいでは、20年分蓄積されているのですから、物で溢れかえっているのは、ある意味当然のこと。
収納をつくると部屋はせまくなる
「物があふれているからから、なんとか収納しなくては!」となるわけですが、収納をつくるということは、当然のことながら、その分、部屋がせまくなるということです。
あたりまえのことですが、これを意外と忘れがちなんです!
押し入れやクローゼットなど、収納の面積は、お住まい全体の床面積の何%くらいが適当か、考えたことはありますか。
理想は、10~15%くらいと言われています。40坪の家だと、4坪分ということになりますね。
4坪というは、畳8帖分です!
もし、8帖分リビングが広くなったら、と想像してみてください。とても贅沢な空間になりそうですね。生活そのものも変わってきそうです。
それなのに、多くのお客様は「収納が足りない」といって、物を閉じ込めておく場所を増やそうとされます。
せっかくのリフォームで、収納にコストをかけて、人がくつろぐための床をつぶしていては、ほんとうにもったいない!!
収納計画を立てる前に、ここはぜひ、落ち着いて考えてみてください。
それは、身の回りの物を見直すということです。
洋服を何枚持っていますか?
「洋服を何枚持っていますか?」この質問にすぐに応えられるなら、ここから先を読まなくても大丈夫です!(笑)
たいていの方は、自分の洋服が何枚あるかなんて、分からないはず。
どうしてそうなるのでしょう。それは、ご自分で管理しきれないほどの洋服をお持ちだからです。
そしてこれは、洋服に限ったことではありません。下駄箱に入っている靴の数、食器棚のお皿の数、洗面室のタオルの数・・・・。
家中のあらゆる空間に、ご自分が管理しきれない物があふれていませんか。
使っている物は 案外少ない
たくさんの物を持っていても、実際に使うのは、ほんの一部です。
調理器具や、食卓にあがる食器、お気に入りの服や靴、文房具、毎日の生活の中で使っている物を思い浮かべると、同じものをルーティンで使っているのではないですか。
物は4つに分類される
身の回りの物は4つに分類されるという、整理収納アドバイザーの理論があります。4つの分類イメージは次のようなものです。
分類1は、毎日のように使うものは、日常生活でのアイテムです。
スマホやお気に入りのアクセサリー、お財布、お仕事用のバッグ、パソコンや文房具など、いわゆる”スタメン”といった物ですね。
分類2は、出番がきたら使うものは、ベンチ入りしているメンバーです。
スタンバイOKといった物ですので、手入れされた季節の服、掃除用具や、洗剤、歯ブラシなど、ストックされている日用品もこれにあたります。
分類3は、持っているだけのもの、忘れているものは、そのとおり、持っているけれど使っていない物、あるいはその存在すら忘れている物です。
何年も袖を通していない洋服、引っ越してきた時のまま開けていないダンボール箱、なんて物はありませんか。
分類4は、壊れている物、ゴミ。
これは比較的小さな物が要注意です。インクのないペンや、切れたネックレス、片方だけのピアスなどがよくある例です。
いかがでしょうか。あなたの身の回りの物は、どの分類に当てはまりそうですか。
必要な物を見極めるには
もし、あなたのお住いに、分類3や4の物がたくさんあるなら、まずは自分や家族にとって、本当に必要な物は何かを見極めてみてはいかがでしょう。
見極め方はとってもカンタン!
その物を「一年以内につかったかどうか」です。
実は、一年以上使わなかった物は、その後も使わない可能性がとても高いのです。たとえそれが新品でも、高価でも、一年使わなかったのですから、なくても困らない物なのです。
物を見極める判断基準は、このように、とてもシンプル!
一度、このような判断基準で物を仕分けしてみましょう。試しにタンスの引き出し1段からでもやってみてください。
試してみると、半数ちかくが、使っていなかった物だった!などということは少なくありません。
収納計画はしまう物が決まってから
このように、収納計画の前に、身の回りの物を見直すことを、ぜひ、おすすめします。
収納というのは、使っている物を上手にしまうことです。ですから、どんな物を収納するのか、ある程度イメージできていないと計画することができません。
適量となった物を、しまいやすく、取り出しやすいように収納できるように計画することがポイントです。
クローゼットひとつとっても、棚の枚数、高さ、奥行き、パイプの本数など、お一人お一人に使いやすい仕様があるはず。
せっかくのリフォームですから、収納計画はくれぐれも焦って失敗することのないように☆
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